INTERVIEW会員インタビュー
会員インタビュー
うなぎ茶寮 ふく山
うなぎ茶寮 ふく山 /
福山 正宝 氏
うなぎ料理店
平成24年に吹田(江坂)で創業された「うなぎ茶寮ふく山」は、福岡県柳川「セイロ蒸し」のうなぎが食べられるお店です。テレビ関係者の方も来店され、遠方からのお客様もあり、江坂の古民家でうなぎを堪能できるお店としてブランドを築いておられます。
2代目代表の福山正宝氏にうなぎコース料理、事業 承継のお話を伺いました。
創業の経緯を教えてください。
元々両親は福岡で串焼き・釜飯の飲食店を営んでいましたが、親戚がうなぎ店をしていたこともあり、そこで修業をして大阪に出てうなぎ店を始めようと、今のお店を開店しました。平成24年のことです。開店から軌道に乗るまでの3年程は、両親は苦労していました。
私は、福岡の飲食店を引き継ぎ営業していましたが、うなぎ店の繁忙期は福岡から吹田に手伝いに行き、父からうなぎのイロハを10年かけて教わりました。
やがて両親も年齢を重ねるにつれ、二人で吹田のお店の切り盛りすることが大変となり、応援に行くことも多くなったので、昨年(令和3年)5月、私が福岡の店をたたみ、「うなぎ茶寮ふく山」を引継ぐことにしました。
事業承継にあたってご苦労されたことはありますか。
お店を引継いた当初は、不安というよりワクワク感でいっぱいでした。ただ、福岡の飲食店とは食材が全く違います。単価の高い「うなぎ」というひとつの食材を食べにきていただくお客様にご満足いただけるようにしなければなりません。馴染みのお客様、一見のお客様もわけへだてなく一期一会でご来店いただいたという気持ちで、精一杯調理、接客に努めました。この思いは今も変わっていません。
お店を引継いでまだ1年ということもあり、外から見れば大きな変化はないかもしれませんが、私なりに少しずつ進化させながら、このお店を守り続けたいと思っています。
お店の特徴、こだわりは何ですか。
両親から受け継いだ福岡県柳川で有名な「セイロ蒸し」がお店の一番人気です。柳川風は、ウナギを蒸さずに炭火で焼き、タレの入ったご飯に乗せて、それをセイロで蒸す食べ方です。大阪で一般的な「うな重」とは異なり、うなぎの身、皮とも柔らかくなり、ごはんにしみわたるタレとの相性も抜群です。
また、私が店を引継いでからは、より創作性の強い「うなぎ尽くしコース」料理を提供させて頂いています。一般的なうなぎのコース料理で出される「うまき」「白焼き」「蒲焼き」といった定番料理だけではなく、当店では、「うなぎの生春巻」「赤ワイン煮」「塩麹に漬けたうなぎ」など、こんな食べ方があるんだと思っていただけるようなオリジナル料理をご提供しております。
今後の展開についてお伺いします。
福岡で飲食店を引き継いだ当初は、多店舗展開が目標でした。しかしながら、今のお店を引き継ぐと、自分で食材を吟味して仕入し、それを調理して、自分の手でお客様に提供したいと思う気持ちが大きくなってきました。
今後は、始めたばかりのコース料理を皆様に知っていただくとともに、“1匹のうなぎをいかに美味しく提供できるかが店の柱になる”という思いでこれからも頑張っていきます。
― 貴重なお話をありがとうございました。今後益々のご繁盛をご祈念申し上げます。