INTERVIEW会員インタビュー

会員インタビュー

八田畳産業

八田畳産業
八田 光正 氏

見えないところへの心配り

吹田市片山町4丁目で畳店を営む八田畳産業様は、明治3年に大阪の堂山町で開業され、今年で 151年を迎えられました。四代目店主である八田光正氏は『吹田市産業功労者』や『大阪府なにわの名工』表彰を受賞されておられます。お店の 歩み等について八田氏にお話を伺いました。

創業からの経緯を教えてください

初代が明治3年に大阪市北区堂山町で開業したのが始まりです。二代目が吹田店を開業し2店舗で営業しておりましたが、後に吹田店に統合しました。戦後、三代目が現在の片山町4丁目に移転。平成13年に私が店を引継ぎ、昨年創業150年を迎えることができました。これもひとえに皆様のお陰と感謝申し上げます。

事業継承のお話を教えてください

私は幼い頃から父である三代目の背中を見て育ち、大学生の頃からは本格的に手伝いをしていました。四代目として引き継いだ時、技術面はある程度経験を積んでおりましたので不安は感じませんでした。しかし、お客様との会話など営業面の経験がなく苦労しました。何をどうしていいのかわからず、お客様に教えて頂き助けてもらいました。お客様に育てて頂いたといっても過言ではないと思っています。常にその当時を振り返り、お客様に感謝をしながら店を続けております。

お店の特徴についてお伺いします

弊店は、一般のご家庭の畳替えがほとんどです。そのため直接お客様のお話を伺い、個々のご家庭でのお部屋の使い方やどんなお部屋にしたいかなど細かく打合せをし、使う素材や現在の建物環境を考えてご提案させて頂いております。

畳といっても一種類ではなく、ランクや品質に応じて沢山の種類があります。畳の材質にも色々な種類があり、天然のイグサで織られたもの以外にも、和紙素材や耐水性のある素材もあります。畳の感触はそのままで洋風にアレンジすることもできるようになりました。お客さまと一緒に創造しコーディネートしています。

お座敷などに使われる格式ある畳からカジュアルなものまで幅広く取り扱っております。

―  こだわっておられる事は何でしょうか

お客様との御縁を大切にその時にできる事を精一杯したいと思い、お客様には見えない所に気を配っていることです。例えば、畳の湿気具合の計測、畳を引き上げた際に太陽に当てて湿気を飛ばしてリフレッシュさせたり、畳をほどいた時に畳にあるホコリの除去(ダニ予防)や隙間の調整、芯材の修正などです。そして、なるべく長持ちして快適にお使い頂けるように、お掃除の仕方やお手入れ方法などもお伝えしながら、原点のサービスを大切にしている“レトロな畳屋”です。

今後の展開は…

今まで150年続けてこられた恩返しである意味を込めて、多くの方に畳の良さを感じて頂けるよう丁寧な仕事でお返ししたいと思っています。今はコロナ禍の影響で実施できていませんが、「ものづくりマイスター」として色々なイベントを通して畳のお話をさせて頂いたり、縁バッグ講習会等も再開できる事を心待ちにしています。さらにこれからも、心地よい畳の提案はもちろん、「畳が好き」といって頂ける製品を提供していきたいと考えています。

貴重なお話をありがとうございました。今後益々のご繁盛を祈念申し上げます。

INFORMATION

八田畳産業

吹田市片山町4丁目39-17

TEL : 06-6388-2361 HP : http://hatta-tatami.com