INTERVIEW会員インタビュー
会員インタビュー
十徳日本酒販売所
十徳日本酒販売所 /
店主 小島 拓也 氏
人生が変わった店主の体験を皆様に。
吹田市千里山西で「十徳日本酒販売所」を営まれる小島拓也さん。大学生の頃、人に勧めて一番自信の持てるものは何かと考えた結果、「将来は日本酒を売る仕事で独立しよう」と決められたそうです。
そのため、大学卒業後、大阪の浪速区にある日本酒専門店に6年半勤務し、日本酒についての基礎的な知識や販売の経験を積まれ、酒販店開業の夢の実現に一歩ずつ歩まれました。その後、販売する以前の日本酒の製造の部分を学びたいと考え、大阪の米作りから酒造りまで行っている酒蔵にも勤務しました。
今回は、このコロナ禍の中で、酒販店を開業された 小島さんに事業の特徴や販売の工夫などについて、 お話を伺いました。
お店を始められた動機は…。
日本酒販売に特化した酒販店として営業しています。
お酒と接する機会は世の中に溢れ、美味しい日本酒は身近にあるのに、まだ出会えていない方がたくさんいます。そんな方が「日本酒ってこんなに美味しかったのか。」と気付けるようなお手伝いをしたいと思ったことが創業の動機です。
お酒の好きな方は、「あ、このお酒ずっとこれからも飲んでいくことになるお酒だな」というお酒に出会うことがあります。その一杯が、これからのお酒ライフを変える人生の一本になります。「一杯」が美味しいよりも「一本」が旨い、そんなお酒が普段の生活の傍らにあると、ご飯の食卓、晩酌のひと時、寝る前の一杯に彩りが加わります。
私もそんな一本に出会いました。そんな人生に彩りを加える運命の一本、人生の一本と出会っていただく体験、その機会を創る場所として「十徳日本酒販売所」を開業しました。
コロナ禍の中で開業されましたが…。
当店は、第一回緊急事態宣言の発出されたその日に新規開業いたしました。取引を見込んでいた飲食店は軒並み休業し、売上の主軸と見込んでいた飲食店への売上は皆無となりました。コロナ禍は、飲食店のみならず酒造から酒販の業界まで大きな影響を受けています。
そこで、当初そこまで力を入れない予定だった一般の個人のお客様への販売に力を入れました。周辺へのポスティングやSNSでの店の認知度の普及に努めて、来店客を増やすことで当初見込みを大きく超える一般顧客向けの売上を伸ばすことができました。
オンラインショップも開設しましたが、こちらの売上はまだまだです。今後も飲食店への酒類販売禁止の通達が出ることがあることを踏まえ、来店客、オンラインショップ、飲食店への販売の比率を見直しながら営業を続けていこうと思います。
事業をする上で心がけていることは何ですか。
酒販店といえば「小売業」に分類されますが、実際は「コンサルティング」だと考えています。お客様から言われたものをただ売ってそこで終わるのでは無く、専門職の立場から日本酒についてわからないことや、気付きにくいことをお伝えし、もう一歩先のそのお店にどうお酒を売っていただきたいか、お客様にどうお酒を飲んでいただきたいかを考え、提案していくようにしています。
日本酒というものの幅の広さ、奥の深さ、背景にあるものを伝えることで、今までとは違う「酔うための日本酒」から「愉しむための日本酒」へ醸成していくことが当店の役割だと考えています。
そしてその先に「日本酒」というものが日本人のアイデンティティとして、日本人の中に根付き、友人などにはもちろん、海外の方などにも日本のお酒といえば日本酒ということをアピール出来るようになる世界を創り上げていきたいという夢を持っています。
今後の活動について教えてください…。
北摂地域はベッドタウンとしてたくさんの方が住んでいますが、近くに美味しい日本酒が買える酒屋さんがあると知らずに過ごしている方も多い印象を受けます。
皆さんのお住いの近くに美味しい日本酒を触れ合える酒販店、飲食店はあるんだということを知っていただくために情報発信を続けていきます。
そのために「北摂日本酒案内所」という北摂で日本酒に真剣に向き合う酒販店でチームを結成し、万博公園のロハスフェスタに出店したり色々なイベントに参加するなど、地域で日本酒をもっと身近に感じていただけるよう活動を始めています。
― 今後とも貴店の隆盛を期待しております。貴重なお話をありがとうございました。