INTERVIEW会員インタビュー
会員インタビュー
アーキヤマデ株式会社
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アーキヤマデ株式会社 /
代表取締役社長 山出 敬太郎 氏
設 立 昭和31年(1956)3月資 本 金 85百万円 従業員数 167名
防水材に塩ビシートが選ばれる歴史と工夫
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会社の成り立ちについてお聞かせください
当社は建築物の防水に係る製品を開発・販売するメーカーです。創業は昭和31 年(1956)で、当初は大阪市内で内装工事業としてスタートしました。創業者の山出敬二は私の祖父でして、独自の発想で、建築防水技術に新たな可能性を見出してきました。
きっかけは、電車の屋根仕上げ材を従来のアスファルトから、耐火性に優れた塩化ビニール防水シート(以下、塩ビシートと呼ぶ)に替えるというニュースでした。横浜市の桜木町駅にある電車の屋根のアスファルトが燃え、多くの死傷者が出たのがきっかけだったと聞いています。
「ビル等の屋上や陸屋根に塩ビシートを使用するのはどうだろう」と元々、内装工事の際に使用していた長尺塩ビシートを応用することで、燃えにくく軽い素材である強い建築防水材ができるのではないかと創業者が考えたようです。
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市場拡大のきっかけをお教えください
昭和3 6年、当社は塩ビシートの陸屋根防水材「リベットルーフ」の開発を始め、昭和4 0年には量産体制を整えましたが、防水工事で塩ビシートというイメージよりも、まだまだ“アスファルト” が主流でしたので、非常に苦労したと聞いています。昭和4 2年には防水用アスファルトの保護コンクリートのひび割れ防止のために開発した「クラクタイト」が先に注目され、販売数は伸び、一気に市場を広げました。また、リベットルーフも徐々に施工実績を伸ばし、昭和4 3年に代理店組織「西日本リベットルーフ工業会」を組織しました。組織したことで、代理店の防水施工業者と距離を縮めることで、施主の満足向上につながったことが、市場拡大のきっかけとなりました。そして、昭和4 4年、日本万国博覧会のパビリオンに、リベットルーフとクラクタイトが大量採用されたことが、全国からの受注につながりました。特に、リベットルーフは、万国博覧会で世界各国の方々に評価され、簡易で軽量な屋根防水を利用するのは非常に意義があると、積極的に採用いただいたと聞いています。
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さらに環境分野への進出については?
そういった競合会社が増える中、2 0 0 0 年代には新たな取り組みとして屋上防水に付加価値をというテーマに環境面を掛け合わせることで事業の成長を目指しました。例えば、太陽光設置の際、設備業者は防水知識を持ち合わせていないケースも多く、雨漏りが頻繁に起こっていましたので防水材と一体化された太陽光発電専用のモジュール固定システム「グリッドベース」を開発しました。コンクリート基礎を新設する必要がなく、軽量で工期も短縮できるため、高い評価を得ています。
自社として大切にしていることは?
我々は、施工するための材料を作るメーカーです。ただ、防水というのは材料を使って職人さんの手で施工することで製品として完成されるものです。メーカーではありますが、工事のことまで全部考えなければいけないのです。どんなにシートの性能が高くても、少しでも雨漏れさせればなんの評価もありません。
塩ビシートによる防水は、作業者の技量に関係なく、防水層の厚みを均一にできます。また、アスファルト工法に比べ、圧倒的に軽量化されます。耐震性も高く、美しく仕上げることができ、屋上の有効活用も可能となりました。そんな中、私どもはお客様にすべてのクレームを開示した上で、解決策とともに、そのような利点を一つ一つクリアするよう心がけています。メリットだけではなく、デメリットもお伝えするし、オープンな営業トークと打開策としての提案をすることで、お客様の信用を積み上げてきたことが非常に大切だったと感じています。また、一つ一つクレームから逃げなかったことが、新たな開発へとつながったのだと思います。
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今後の展望をお教えください
我々が目指しているのは、やはり防水材専業メーカーとして業界N o . 1を目指すことです。そのためにも、既存製品に甘えることなく、改良・開発を繰り返すことが必要です。より良いものを追求し、新たな防水材の可能性を追求していきたいと思います。
INFORMATION
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