INTERVIEW会員インタビュー

会員インタビュー

株式会社サンゼリア/株式会社大楠屋

株式会社サンゼリア/株式会社大楠屋
代表取締役 酒井 修司 氏

事業のバトンを「きっちり」繋ぐ

JR吹田駅片山商店街の通り沿いのスーパーマーケット「フードネットマート・サンゼリア店」は、千里市場・サンゼリアの経営を引き継いだ株式会社大楠屋・代表取締役の酒井修司社長が経営に当たっておられます。食品卸を営まれる大楠屋の本社事務所も同店の2階に移転してきました。

祖父の代から90年以上に渡り、時代に合わせ、カタチを変えながら事業を継続されている酒井社長に、創業から現在までの事業変遷について、また、今後の展開について伺いました。

貴社の事業内容について教えてください。

当社グループは、食品に関わる卸売業、配達事業、小売業を行っております。卸売業としては、関西を中心に食品等を卸しており、eコマースにも力を入れております。配達事業としては、吹田市近隣の保育園40園に対して、毎日昼食の食材を届けております。小売業としては、北摂地域に食品スーパーマーケットを8店舗展開しております。

創業から現在に至るまでの事業拡大についてお聞きします。

昭和3年に祖父が大阪市福島区浄正橋近くで青果・乾物屋として創業しました。昭和35年法人化し、昭和 39年頃より関西の食品スーパー、食料品店などへ乾物、加工食品を中心に幅広い食品を卸すようになりました。昭和63年には会社本店地天満にスーパーマーケットをオープンしました。5年ほど前にご縁があって片山町のスーパーマーケット(株)サンゼリアを引き継ぐことになり、本社も吹田市に移転してきました。その間代表は、祖父から父、母、兄と続き、私は5代目となります。

卸売業である(株)大楠屋は、創業94年になり、食品卸売業として多くの取引先に恵まれ、現在約300店舗の食品スーパーマーケットなどへ卸しております。各仕入先と長いお付き合いがあるため、取引先の細かな要望にも応えられるという強みがあります。摂津市に、物流倉庫をかまえ、必要な時に必要な量をお届けすることが可能です。また、販売力強化の一環としてeコマースを7年前からはじめており、ようやく軌道に乗りつつあります。ネットであれば、全国への対応が可能です。全国卸として事業を展開出来るようになりたいと考えています。また、 食物アレル ギーを引き起こさない食品の提供にも力を入れています。

配達事業を行っている(株)サンゼリアでは吹田市近隣の保育園40箇所3,000名分の昼食用の食材を毎日届けております。新型コロナウイルスの影響により、日々食材受注の変動があり、担当は対応に追われているようですが、吹田の未来をつくる子どもたちへの食の貢献だと思い励んでおります。また、片山町周辺のご自宅へ食料品の配達を行っております。坂が多い地域であり、年配の方も増えておりますのでご利用機会も増えているようです。人員体制を整えつつ、今後は片山町以外の地域へも展開していく予定です。

小売業であるフードネットリテール(株)では「フードネットマート」と「ど!生鮮市場」という食品スーパーマーケットを北摂地域に8店舗展開しております。卸売業で培った仕入力を武器に地域最安値を目指しております。また、消費者と一番近い場所にいることで、消費者動向をいち早く知ることができ、その結果を卸売の仕入れに活かすことが出来ております。ボリュームディスカウントをして仕入れた商品を、お安く提供できるという利点もあります。

令和3年1月からは、(株)R-netという関西の卸売事業者が集まった共同組織の代表にも就任しました。卸売1社では取り組めない共同仕入れや、大手メーカーに対する販売企画の提案を行っております。

現在力を入れていることは…。

軌道に乗りつつあるeコマース事業の更なる強化を進めております。7年ほど前から取り組んでおりますが、新型コロナウイルスの影響もあり、今、売上が伸びています。スマホ画面からの見やすさ改善や商品展開など課題も多くありますが、当社を伸ばしていくためには本事業の強化が最優先になるでしょう。安定した仕入先確保にも力を注いでいます。さらに、小売業としては、店舗開発専門の人材を迎え入れ、出店を強化していきたいと考えております。

また、人材募集・教育にも力を入れております。現在パートさんを含め200名のスタッフがいます。おかげさまで事業が拡大できておりますので、常に人員不足の状態です。募集したらすぐに集まるという業界ではありませんが、このコロナ禍で就職のタイミングを逃してしまったという若い人材も入社してきています。今後も積極採用して参ります。

そして、DX、IT化にも積極的に取り組んでおります。小売店舗ではキャッシュレス化を推進し、取引先や社内での会議も積極的にオンライン会議を取り入れています。社員一人一台スマホを支給し、活用を促しております。

今後の展開についてどうお考えですか。

祖父が創業した(株)大楠屋と5年前に引き継いだ(株)サンゼリア。多くの方のご支援があり、双方とも長い歴史を積み重ねることができております。私も今年60歳。心身ともに健康ではありますが、兄が急逝したこともあり、何時如何なることが起きるか予想がつかないことを肝に銘じています。幸い、甥二人がすでに会社に入社しており、担当事業の取りまとめ役として活躍してくれています。卸売業、小売業とも今後も競争激化が続く業界ですが、人材の育成とDX、IT化の推進により、後継者に良い状態でバトンを繋いでいきたいと思っております。また、事業を通して地域貢献ができるように全社員一丸となり精進していきたいと思います。

―貴重なお話をありがとうございました。益々のご発展をお祈り申し上げます。

INFORMATION

株式会社サンゼリア/株式会社大楠屋

吹田市片山町3丁目32-3

TEL : 06-6170-1481 HP : https://okusuya.jp/company/