INTERVIEW会員インタビュー
会員インタビュー
株式会社Y.E.I.
株式会社Y.E.I. /
代表取締役会長 新谷 光男 氏 代表取締役社長 山口 学 氏
100年, 200年続くものづくり企業を目指して
事業内容についてお聞かせください。
(山口社長)当社は静電容量測定を基本とした工業用計測センサーを製造しています。基板設計及び製造、機械部分の製造、メンテナンスまで、基本的には一貫して社内で取り組んでいます。
工業用計測センサーはどういった用途で使われるものですか。
(山口社長)当社の創業当初に製造したのがレベルセンサーです。例えば工場内に設置されているタンク等の内
容物の量を管理するために使われます。次に製造したのが水分計センサーです。ある化学関連メーカーと共同開発して製品化に至りました。水分計センサーは油の中に含まれる水分量を計測します。これは、例えば火力発電所のエンジンオイル内に含まれる水分量を計測したり、船舶の燃料に水分が混ざっていないか計測したりするために使用されます。いずれも人命に関わる分野ですので、計測精度やセンサーの耐久性が求められます。その他にも、通過した粉体の量を計測するための粉体流量センサー等、様々な用途のセンサーを研究開発し製品化しています。
製品企画はどのように着想されているのでしょうか。
(新谷会長)当社ではセンサーの設計から販売までを一貫して行っているため、特殊仕様品でも一台から製造を承っています。このことから、取引先企業の皆さまから様々なご要望やご相談をお聞きします。
そういったお話の中から新製品の共同開発に取り組むケースもありまし、経済動向等をもとに次に取り組む製品を考えることもあります。
当社の信条は「無ければ創る」です。同業他社では残念ながら実現できなかった案件であっても、当社の開発チームが粘り強く取り組むことで製品化できたケースが多々あります。当社は小さな会社ではありますが、少数精鋭の頭脳集団を目指して日々研鑽しています。中小企業ならではの機動力を活かして世の中のためになる製品を作りたいと考えています。
会社の沿革についてお聞かせください。
(新谷会長)当社は1973 年に、私を含めて4 人で立ち上げました。私は子どもの頃からずっとものづくりが好きで、設立当初は営業と技術を兼務して取締役に就任しました。その後、設立から7年後の1980年に代表取締役に就任しました。取引先の皆さまや社員の方たちのお陰で、昨年設立5 0周年を迎えることができました。また、昨年8月には事業承継に取り組み、山口が代表取締役社長に就任しました。
事業承継についてお聞かせください。
(新谷会長)一昨年頃から事業承継について本格的に取り組み始めました。山口を後継者にと考えたのは、長きにわたって私を含め社員の方たちを支えるとともに、当社の事業内容である測定機器の開発や生産等の能力に優れていることが主な継承の理由です。安心して会社を任
せられると思える社員たちに恵まれたことに心から感謝しています。
(山口社長)入社して約35 年になりますが、当初は全く技術のない状態から「技術者になりたい」という強い思いを持って入社しました。新谷や先輩方のものづくりに対する情熱や技術を学び、技術者として仕事を覚えました。承継にあたっては新谷から色々な注意点やアドバイスを頂きました。これからは社長業についてもより一層学んでいきたいと思います。
今後の展望をお教えください。
(山口社長)製品開発としては現在、防爆構造※ の計測機器、船舶用計測機器、半導体関連向け計測機器の新製品を開発しています。国内ユーザー向け製品については現在も当社で製造しているのですが、新製品では海外販路開拓を見据え、国際規格をクリアすべく開発を進めているところです。
私が考える会社の未来のイメージを社員の方たちに伝えて共有し、一致団結して取り組んでいきたいと考えています。会社の基盤を強くして社員の方たちに還元し、「この会社に入社して良かった」と思ってもらえる環境を作りたいと思います。
当社にとって、取引先や研究機関の皆さま、社員の方たちといった、人との繋がりが経営の基本だと考えています。新谷の築いた当社を、100年、200年企業として繋げていくための礎を作っていきたいと考えています。
※防爆構造:可燃性ガスや引火性蒸気などの危険雰囲気中で使用してもその機器が印加、発火、爆発などの事故の原因とならないような構造。
INFORMATION
株式会社Y.E.I.
大阪府吹田市江坂町1-17-14 江坂パークフロントビル6F
工 場 大阪府豊中市今在家町13-5