INTERVIEW会員インタビュー
会員インタビュー
株式会社ヒューブレイン

株式会社ヒューブレイン /
代表取締役 蒲田 健一郎 氏
当社の画像外観検査装置は「数ミクロンも見逃さない」
株式会社ヒューブレインは、吹田市江坂町に本社を構え、画像検査装置の開発及び製造を行っている企業です。
この外観検査装置は、製品の1ミクロンにも満たない極微小な欠点を瞬時に見極めます。
仕事に対しては、常に改善マインドを持続させて、日々考える力を養うとともに発揮することに徹しておられます。
同社の蒲田社長からにお話しを伺いました。
事業内容を教えてください。
当社は、電子部品やゴム・樹脂、容器類などを製造工程中や出荷前に、人間の目の代わりにカメラを用い、脳の代わりにCPUを用いて自動で外観検査を行う装置を開発・製造・販売している会社です。
従来の製品外観検査は、拡大鏡を使用して人の目(目視)に頼っているケースが多かったのですが、当社はカメラからのデータとそれを加工する画像処理技術を駆使し、製品の極微小な欠陥検出を可能としました。
身近な適用例としては、今やほとんどの方が所有しているスマホには、目視検査では対応不可能なために、自動外観検査実施後に良品と判定された0.4mm*0.4㎜*0.2㎜程度の極小なコンデンサー(電子部品の1種)が、大凡800個組み込まれています。
当社では、大手メーカーを含む100を超えるお取引先からの様々なご要望を反映した製品造りを、信州松川工場に於いて機械部分の組み立てや制御ソフトの制作を含め、一貫して行っています。
どういった経緯で事業を始められたのですか。
企業の一技術者として生産設備の自動化の仕事をしていました。その際、顧客から外観検査の自動化ニーズの声を沢山お聞きしました。その当時は、適宜当該業者を紹介するなどしていましたが、顧客に満足して頂ける水準の外観検査装置は出現していませんでした。それなら自分達で作ろうと決断し、1987年に大阪市淀川区で会社を立ち上げ、4人でスタートしました。
御社の経営理念や経営で心がけている点を教えてください。
当社は研究開発型の企業です。常に技術力を磨いて製品開発を行い、顧客から要望されたスペック以上の製品をお届けすることを心がけています
それを実現させる為には、猛スピードで技術革新が行われている昨今、手間を惜しまず常に情報収集に努め、ドラえもんのポケットではありませんが、様々な分野のノウハウの引き出しを増やすことにより、お客様から頼られる存在になる事が必要になります。
また、会社を運営していく上では、当社を取り巻く顧客、社員、協力会社や代理店及び仕入先関係者、並びにそれこそ社内清掃をしていただいている方まで含め、相互の信頼関係の維持並びに向上が最も重要であると考えます。当たり前ですが、自分以外はすべて他人故、『常に目配り、気配り、心配り』が必要です。
事業に携わり、うれしかったことご苦労されたことは…。
顧客との長期間に亘る仕様決めの後に製作に入りますが、製作期間中の様々な遣り取りを経て納入した製品が、顧客の生産性アップ並びに品質保証面で、予測以上に寄与したことに対して、お褒めの言葉をいただいたときは、大変うれしく思います。
この事は、当社社員もこの仕事をやっていて良かったと、一番やりがいを感じるポイントになります。
一方、製造工程は、対象部品に対する綿密なスクリーニング(評価テスト)作業から始まり、仕様打合せ、仕様確定、見積作業、装置製造、納入立ち上げ、検収、入金に至るまで平均すれば8ケ月を要します。その間は1円たりともお金が入って来ないので、その資金負担額は大変なものです。以前は資金繰りに相当苦労しました。
今後の展開は…
少子高齢化で目視検査員が減少する中、外観検査の自動化ニーズは、電子部品の極小化、全数検査の要求などによりコロナ禍の経済減速下でも拡大の一途を辿っています。また、日本企業も多様な検査の自動化を更に推進して生産性を上げれば、製造コストでも海外勢と対等に渡り合える水準になると思います。
当社も電子部品業界はもちろんのこと、日本のお家芸とも言える樹脂原料業界向けに、更なるコストパフォーマンスに優れた製品の開発・供給にむけて邁進していく所存です。
― 貴重なお話をありがとうございました。今後益々のご繁盛を祈念申し上げます。
INFORMATION

株式会社ヒューブレイン
〒564-0063 大阪府吹田市江坂町2丁目2-11
TEL : 06-6190-9800