INTERVIEW会員インタビュー
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濱野建材株式会社

濱野建材株式会社 /
代表取締役 濱野 良平 氏
事業承継後も、伝統を守り、新しい道を開拓。
濱野建材の歴史は、江戸時代の和歌山の材木商に遡ります。大正時代に大阪に移転し、戦後復興のために建材を販売し、マンション建設ラッシュとともに大きく成長され、1974年に濱野建材株式会社に改組しました。
現在では、建物の内装に関わる建材の販売からオリジナル製品の企画・生産、自社建材による施工までを手掛ける業界でも珍しいワンストップサービスの事業を展開されています。
現代表取締役である濱野良平氏は、家業である同社に24歳の時に入社、40歳で社長に就任しました。工務店さんを応援するリフォーム建材部門を立ち上げるなど新たな分野への挑戦も続けています。
濱野社長に、事業承継の経緯や新たな取り組みについてお伺いしました。

会社について教えてください
私どもの源流は、江戸時代からの歴史を持つ和歌山県古座の材木商です。大正時代になると大阪市内に進出しましたが、戦災により昭和20年に吹田に移転しました。
戦後の復興で住宅建設が始まると、「濱野建材商工」として建材の販売に進出しました。昭和45年頃からは、千里、泉北にニュータウン建設が始まり、その建設工法として採用されていた内装プレハブ工法の商材をいち早く取り入れ、それを機に官公庁関係を中心とした集合住宅における内装プレハブ建材商社として事業を拡大していきました。
そして、大手メーカーが内装プレハブ建材の製造から撤退していくと、これまでの内装プレハブ業界の製造工場とのネットワークを活かし、自社オリジナル製品の企画を行い、委託で生産するファブレス型のメーカーへと転換していきました。
事業承継されるまでの経緯について教えてください
私は「映画を撮りたい」と大学に通いながら映像関係の学校に通い、映像編集会社に一度就職しました。当然、すぐに自分の作品を作らせてもらえません。仕事に悩んでいると、父に「映像制作も建設も自分の作品を残すという意味で似ている部分がある」という話を聞き、自分の作品を作りたいという想いもあり、大阪で映像制作をしながら家業を手伝うことになりました。父の言葉通り、一つ一つの作品が形として残っていく面白みにどんどんはまっていきました。10数年が経ち、40歳という区切りに社長にならないかと打診され、事業承継することになりました。
経営者としての悩みはありますか
事業承継後の悩みは、特にありません。ただ、他企業との違いを見ると、私は社員や役員とのコミュニケーション、また、経営方針の共有など特に大切な場面では言葉だけではなく資料を用いることで理解してもらうように努めています。その都度不安を解消し、人間関係を構築することが必要なのではないかと考えています。
営業拡大の取組みについて教えてください
当社は、アイデアさえあれば内装建材を各専門部門の工場の力を借り、すぐにオリジナル商品を具現化できます。そうして完成したのが、「ハマールV」です。それまで業者の方から多くの声をいただいていたのが襖のリフォームでした。枠から交換すれば高価になるが、もっと安く新しいデザインにできないかという要望でした。
そこで既存の枠にオシャレなアルミ引き戸の取付けができるオリジナル製品が、この「ハマールV」です。障子や襖、様々な枠に対応可能です。その他にもキッチンの扉や天板を交換できるプチリフォームシステム「キッチン・リフレッシュ」も関西を中心に大変多くのご注文をいただいています。
こういった商品開発はファブレス型の企業だから実現できる取り組みです。今後も「こうしたリフォーム案件は“濱野建材”に頼む」という実績を作ることで、業者さんとの信頼関係を構築していきたいと考えます。
今後の取り組みについて教えてください
人材採用も強化しています。そういった中、当社は仲間と楽しく仕事をしていくことに注力し、そういった環境を作ることで人は集まると考えています。今年度より外国人技能実習制度も採用するのですが、その寮の準備も社員みんなが参加しています。
私どもの仕事の魅力は、地域の財産として未来に残るものを創造できることです。これからも挑戦・実践・改善に取り組んでいきながら人々を幸せにする住空間作りのお手伝いをしていきたいと思います。
―貴重なお話をありがとうございました。今後益々のご発展をご祈念申し上げます。
INFORMATION

濱野建材株式会社
〒564-0024 吹田市高城町4番4号
(西御旅事務所/ショールーム <予約制> )
〒564-0034 吹田市西御旅町4-22
FAX (06)6155-9050