INTERVIEW会員インタビュー
会員インタビュー
株式会社 タケックス・ラボ

株式会社 タケックス・ラボ /
代表取締役社長 岡田 久幸 氏
竹のチカラで世界中の食の安全を!
株式会社タケックス・ラボの岡田久幸社長は、小さな頃から竹と共に育ち、共に生きる竹のスペシャリスト。
自身が大病を患った時に感じた想いと使命感をもとに、安心安全な除菌剤と食品添加物の提供に情熱を注いでおられます。
今回は、岡田社長に竹の除菌剤開発の経緯と自社の事業展開について伺いました。

貴社の事業内容についてお聞かせください。
当社は「竹」を使った身体に優しいアルコール除菌・抗菌剤の製造・販売をしております。BtoBでの取引が中心で飲食店やホテル、旅館、介護施設などに卸しております。タケックス・ラボという名前の通り、竹を主成分とした国産製品でありますので手荒れしにくい除菌剤として好評を頂いております。
また、マレーシアをはじめとする、東南アジア各地での販売網構築を進めております。
創業時のことについてお聞かせください。
私の父は竹細工の職人で高知県内に竹細工の工房を構え、土佐みやげの闘犬人形などを作っておりました。私の小さな頃の遊び場は竹やぶで、家でも竹に囲まれて育ちました。
高校生の時に命にかかわる重い病を患い、2年半という長い入院生活を送りました。総合病院の小児病棟では小児がんや白血病といった死と向き合う子供たちが同室していました。1人、2人と亡くなっていき、子供の健康を守れず、臨終に立ち会わなければならない母親たちを何人も見てきました。肝臓がんで亡くなった子供の母親は、添加物の多い食品を食べさせていた自分が悪いと、ずっと涙を流していました。私は運良く退院できましたが、食べ物の安全性がどれほど大切かを痛感致しました。
退院後は父の工房の手伝いをしておりましたがある日、竹の表皮をむいた部分に、数時間でカビが生えることに気づきました。竹の表皮には菌の繁殖を抑える力があるかもしれないと直感的に思い、自然にある竹の成分で安全な食品添加物を作ることが出来れば、発がん性の高い添加物を使わなくて済むようになるかもしれないという使命感もあり研究に励みました。10年以上かけて竹の成分を研究し、竹の抗菌性を科学的に立証することが出来ました。2002年に当社を設立し、竹成分とアルコールを使った除菌剤や食品の日持ち向上剤などを製品化することが出来ました。その後、幾度の改良を加え現在に至っております。
業界の中からみて新型コロナウイルスについて感じることはありますか
除菌や抗菌の重要性についてはO-157やインフルエンザ、ノロウイルスなど世間で騒がれますと一時的に注目はされますが、騒ぎが収まると関心が薄れてしまうのがこれまででした。新型コロナウイルスの影響により、再び注目されておりますが、湿度や温度の変化が激しい日本では常に除菌や抗菌に関する取組みが必要だと感じております。
新型コロナウイルスの影響により、除菌剤需要の急増から新たに市場に参加する事業者が増え、残念ながら粗悪な製品も市場に溢れました。皆様には安心・安全な除菌剤を使って頂きたいと思いますが、安価な製品に流れてしまうのも仕方がないとも感じます。
海外展開についてお聞かせください
3年ほど前より海外展開にも力を入れております。東南アジアのような気温が高く病原菌が繁殖しやすい地域には除菌剤へのニーズが必ずあると思い、マレーシアに現地法人と昨年、工場も構え、マレーシア・シンガポール・インドネシア・タイなどに販路拡大を進めております。イスラム教ではご法度であるアルコールですが、衛生上の利点を粘り強く説明し、フードグレードのアルコール除菌剤としては世界で初めてハードルの高い『マレーシアイスラム開発局(JAKIM)』のハラル認証を取ることが出来ました。これにより営業展開がかなりし易くなりました。
今後の展開についてお聞かせください
日本での事業展開についてはBtoBの取引の拡大に加え、エンドユーザー向けの除菌剤の販路拡大を進めており、ドラッグストアなどへの取引を開始致しました。主原料が竹で出来ているため、安全性はもちろんのこと肌にも優しく、手荒れをする方などに最適です。
また、雑菌の繁殖を抑制し、食品の鮮度を長持ちさせる竹の天然エキスを使った食品添加物の販路拡大を進めております。新型コロナの状況下でテイクアウトやデリバリーを始められた飲食店の方向けの製品となります。
海外展開については、昨年マレーシアに新設した工場が、現在フル稼働しております。ハラル認証を得たアルコール除菌剤として大きく拡販していきたいと思っております。現地の方々にもウイルス予防をするための手洗いや除菌の意識が徐々に出始めておりますので、引き続き啓蒙活動を行って参ります。
この事業を志してから30年以上が経ちますが、創業時の使命感・想いに変わりはなく、竹資源の有効活用と共に今後も竹のチカラで世界中の食の安全を守る一助になればと思っております。
INFORMATION

株式会社 タケックス・ラボ
〒564-0063吹田市江坂町1-23-5 大同生命江坂第2ビル7F