INTERVIEW会員インタビュー
会員インタビュー
パレ・フタバ株式会社

パレ・フタバ株式会社 /
代表取締役会長 深井 喜一郎 氏
吹田で生まれ育って48年今年は日本製のマスクで社会貢献
阪急千里線関大前駅から徒歩3分のフタバボウル関大前店は、開業から48年目を迎えられました。全国的にボウリング場が減っている中、吹田市内で唯一のボウリング場として経営を続けておられます。
新型コロナウイルス感染症の影響によって、ボウリング場は休業を余儀なくされました。また、地元の関西大学も遠隔授業となり、学生の姿が消えました。
フタバボウルを運営するパレ・フタバ株式会社は、繊維事業を源流としています。そこで、マスク不足を解消する為、繰り返し洗って使用することができるマスクの製造を始めました。
今回の非常事態にも、新たな「価値創造」に取り組む同社の深井会長にお話を伺いました。

創業の経緯についてお聞かせください。
私は泉州の泉大津市で生まれ育ちました。第2次大戦前の我が家は、不動産の賃貸で暮らしていましたが、戦後のインフレにより、不動産の賃料だけでは暮らせなくなり、昭和22年に父が双葉商事を創業し、繊維の産地である泉大津でニットの製造卸をはじめました。創業時から、私も母と共に父の事業を手伝っていました。
当初は、ニットの製品を国内で製造し海外で販売する形態でしたが、私が父から受け継ぎ、法人成りした双葉商事株式会社の社長に就任した頃には、海外で製造した商品を国内で販売することが主力となっていました。
繊維事業の後に進出したのが、ボウリング事業です。昭和47年に吹田の関大駅前にフタバボウルをオープンしました。当初は双葉商事株式会社の中のボウリング事業部でしたが、ボウリングを中心とした複合レジャー事業に拡大していく中、繊維の仕事とは社員の働き方や教育方法も違うことから、パレ・フタバ株式会社に分社化しました。
現在は、吹田の交通の便の良さや住みやすさ、繊維事業の発展を考え、双葉商事株式会社と共に本社を泉大津から吹田に移しています。今でも、泉大津には営業部・ボウリング場を置いています。
新たに始められた、マスクの製造についてお聞かせください。
日本で販売されている衣料品の98%が海外で大量生産された製品であり、その半分は売れ残り、廃棄されていることをずっと疑問に思い続けてきました。
7年前、ボウリング事業も安定してきたこともあり、昔のように自分たちで衣料品を作り、国内で販売しようと思い、パレ・フタバでも繊維事業に進出しました。始めるなら繊維の産地でと思い、作業服や学生服の産地でもある広島県福山市に匠場(TAKUMIBA)というモノづくりの拠点(福山事業所)を構えました。
そこでは、ストレッチパンツを専門に製造しており、国内の繊維会社から仕入れた生地を製品の企画から裁断、縫製、仕上げ、検品、販売、出荷まで一貫して行っています。そのため、高品質で納期も短くコストを抑えることができました。
今年2月に新型コロナウイルス感染症の感染拡大によりマスクの不足が深刻化し、社員からパンツの生地を使ってマスクを作ろうという声が上がりました。すぐに企画が練られ、自社工場で試作したものが2月28日に私のもとに届きました。
当社にはボウリング用品を販売するためのネット事業部があるので、そこで販売を行うこととし、3月6日に販売を開始したところ、1時間半で4万枚が売り切れ、1か月で約30万枚を販売しました。外国製のマスクで色々と問題が出てきている中、日本人が国内で製造しているからこそ、大量生産はできないけれど、安心できる商品をいち早く供給することができ、皆様に喜んでもらえたことは大変うれしく思っています。
5月には大阪府と吹田市にマスクを寄贈し、社会貢献することもできました。
新たな取り組みについて教えてください
ようやく再開できたボウリング場は、サーモグラフィ検温の実施や各ボックスへの消毒液配置、ボックス間のビニールシート張りなど、感染症対策を徹底し、皆様が安全に楽しむことができるように努めています。
マスクの製造については、一般にも出回るようになったからこそ、日本製のマスクが欲しいという声を聴くようになりました。これからは実用性だけでなく、ファッションとしての性格も必要です。これからの季節に合わせた盛夏用やカラー展開もしており、皆様の好みに合わせてお使いいただけるようにしていきます。
-お忙しい中、貴重なお話をいただきありがとうございました。一日も早く、ボウリング場にも歓声が響くようになることを祈念しております。


INFORMATION

パレ・フタバ株式会社
〒565-0842 吹田市千里山東1丁目7-18
TEL : 06-6337-2801 HP : http://www.futababowl.jp/company/index.html