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昭和化工株式会社

昭和化工株式会社 /
代表取締役社長 小椋浩之介 氏
“人と環境を大切にする企業”として創業101年 「クエン酸・酒石酸」の国内トップシェアカンパニー
昭和化工株式会社は、大正7年創業という長い歴史の中で、化学工業一筋にさまざまな産業に向けてその素材となる原料を供給し、産業界の発展を支えてきました。化学薬品の中間体メーカーとして、 開発から販売までを手がけており、食品材料などに幅広く利用されているクエン酸や酒石酸は国内メーカーとしてトップクラスのシェアを誇ります。
今回は、社長として6代目となる代表取締役の小椋浩之介氏にお話を伺いました。

創業の精神について
1918(大正7)年の創業より、創業者である小椋荘之助の『お客様に喜ばれるモノづくり』の精神が脈々と受け継がれ、100年以上事業を営んできました。
その創業精神の根本にあるのが、モノづくりに係わる人・企業・そして社会への責任と思いやりの心です。
昭和化工は、そのような思いやりの心、すなわち「愛」を持った人財で、モノづくりに取り組み、お客様のご要望に応えるだけでなく、社会貢献にも努めております。
貴社の事業内容について
事業は大きく三つの分野に分かれています。
一つ目は、有機合成分野です。100年間にわたり蓄積した有機合成技術により、医薬関連、感光剤関連、エレクトロニクス関連の高付加価値中間体を開発し、最先端分野へ素材を提供しています。
二つ目は、錫を中心とする無機化合物分野です。メッキ、触媒、導電剤、釉薬、表面処理剤など、広範囲な分野における原材料として利用されています。
三つ目は、酒石酸、クエン酸、乳酸などの有機酸関連分野です。有機酸は酸味料、調味料、強化剤といった用途で食品産業で使用されたり、医薬品原料としても使用されたりしています。また、電子部品や各種製造設備の洗浄剤など工業方面にも幅広い用途があります。
昭和化工は、グループ会社とも協力し、これら有機酸を国内で生産する体制を整備しており、品質面では安全かつ安心して使用していただける製品を提供していると自負しています。
最近では、有機酸の製造を通じて得られた知見を基に、「食」の分野に対して力を注いだ取組みを行っています。
自社事業における新たな取組みについて
先ほど申し上げた「食」分野への取組みとして、天然素材由来の調味料である「TASTE ONE(テーストワン)」の開発、上市を行いました。本品は、長年の有機酸製造を通じて獲得した当社独自の発酵技術を駆使し、国内で製造を行っている発酵調味料です。
特徴として、旨味や素材感などを強化する効果を持つ一方、苦みやえぐみをマスキングする効果も持っています。そのため、カレーのルー等に用いた場合、量によってはスパイシーにもできるし、またマイルドにもできるというように、真逆の効果を得ることができます。
マスキング効果を発揮しすぎた例として、ビールに配合した試作品を味見してみたところ、苦みがなくなってしまい、愛飲家の当社社員達からは驚きの声が出たこともありました。
他社をグループ化しての事業展開について
さらなる事業の相乗効果を図るため、これまでグループ会社の合理化を進めてきました。
直近では、2016(平成28)年に「いかるが乳業株式会社」を子会社化しました。同社は、当社同様100年以上にわたる歴史を有しております。現在、いかるが乳業が培ってきた乳製品製造技術を生かし、国内の「食」分野のみならず、海外での乳業事業の展開を視野に入れた取組みを、協力体制のもと行っております。
貴社の今後について
日本では高齢化社会が今後ますます進むと想定されています。そんな中で、社会を構成する私たちひとりひとりの生活を支える基盤でもある「食」分野への取組みを続け、当社の存在感を発揮できるよう邁進してまいります。
またその一方で、今後ますます発展が見込まれる海外へも常に目を光らせ、精力的な事業展開を現地でも行えるよう、臆することなくチャレンジしていきます。
-貴重なお話をありがとうございました。今後益々のご発展をご祈念申し上げあげます。



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