INTERVIEW会員インタビュー

会員インタビュー

ミライズ株式会社

ミライズ株式会社
代表取締役 柳田 耕生 氏

「幸せの器」をつくることをめざしています。

 ミライズ株式会社は、吹田市五月が丘に事業所を構え、介護業界において福祉機器の開発及び製造販売を行っている企業です。

 介護の現場からお困りの声をいただき、高齢者向けの商品開発に取り組んでおられます。高齢者の方が実感できる「幸せの道具(器)をつくること」を経営理念として掲げ、次々と事業を展開しています。

 代表取締役の柳田氏は、吹田の千里ニュータウンのご出身。高校の先生を経て創業され、介護業界に飛び込まれました。 柳田社長からにお話しを伺いました。

事業内容を教えてください。

当社は、介護の現場から生まれたニーズをもとに手すりやクッションなど、シニア・シルバー向けの福祉機器を企画から開発・製造・販売までを手掛けております。現在、4つの商品としてスタンバーウッド(置くだけの手すり)、スタンバ―Z(持ち運び手すり)、ラクーイ(背角度調整クッション)、アイレ(一本脚手すり)を福祉系の事業所への卸売販売やインターネットによる直接販売を行っています。

どういった経緯で事業を始められたのですか。

姫路市で高校教員を10年していましたが、父親の病気をきっかけに生まれ故郷の吹田市に戻ってまいりました。地元で仕事を探す中で、父親を介護する母の様子や社会福祉士である妻の仕事をきっかけに介護事業に興味を持ちました。そこで、国の職業訓練機関であるポリテクセンターでリフォーム建築について研修し、経営者としての役割を吹田商工会議所の創業塾に参加して勉強しました。

そして、2002年に介護保険を活用した住宅改修や介護機器のレンタル・販売を主な事業として創業しました。その中で、高齢者のご自宅を訪問しご相談に応じていると、必要な介護機器がなかなか見つけられない現実に接しました。それなら必要なものを作ろうと思い、それをご提供したところ、お客様のお役に立ち大変喜んでいただきました。その後、その製品は順調に他からもご注文をいただくようになり、高齢者向けのものづくりを専門に行う現在のミライズ株式会社を2007年に立ち上げました。

御社の経営理念を教えてください。

「幸せの器(うつわ)をつくる」ということを当初から掲げています。それぞれのお客様にはそれぞれの生活
環境があり、ハード面でお困りになられている問題があります。それを当社の製品で解決することで、お客様のみならず、ご家族の方や介護スタッフの方など、周りも幸せにすることができる「入れ物(環境)」をつくることを当社の経営理念としています。

事業に携わり、うれしかったことご苦労されたことは…。

高齢者と関わる現場が長いので、やはり創り出した製品がお役に立ち、喜んでいただいたときは、何よりの喜びを感じます。特に、これまで世の中になかった製品を生み出したときは、やりがいも強く感じます。創り出した製品の源は、高齢者の方から気づかせていただいたことがすべてであり、介護現場でのニーズを収集することは、商品開発の宝の山を発掘することと同じだと思います。

苦労したことは、今日まで夢中でやってきたので、すべてが苦労といえば、苦労ですし、喜びといえば喜びです。成功したことよりも、失敗したことの方がはるかに多いので、周囲にご迷惑をかけてしまったことも多々あり、それが心苦しいところです。

経営において心がけていることは…。

京セラの稲盛和夫氏がご著書で書かれていることですが、「動機が正しいこと」が最も大切なことであるということに共感しています。経営者はあらゆる局面でジャッジを求められますが、その動機が間違っていれば続かないしうまくいきません。しかし、正しいことであれば、事業発展と継続が可能になると思っています。

そして、「スタッフが幸せにならなければ、会社を経営している意味はない」と考えていますが、それがいまだ実現できず、道途上ですね。

次々と新しいことに挑戦されていますね。

人それぞれのやり方があるかと思いますが、私は「論(ろん)よりラン」をモットーに、とにかく恐れずにやっ
てみる、走りながら修正していく、という方法を取っています。そのためには、否定から入らず、常に前向きに物事をとらえて、どうすればできるのかを考えながら取り組む、という姿勢でいます。挑戦することを楽しみながら、前に進んでいきたいと思っています。

今、取り組んでおられることは…。

今春に「合気サイズ」という運動プログラムと「ラチェットラクーイ」という新しい製品を売り出します。「合気サイズ」とは、シニア・シルバー層に向けて、当社のスタンバ―Z(持ち運び手すり)を利用し、合気柔術の理論に基づいて、安全かつ有効な運動を行えるメソッドです。「ラチェットラクーイ」は、逆流性食道炎でお困りの方々に向けた福祉機器で、特許申請を行っている商品です。

そして、既にご提供している福祉機器を含め、どのようなルートで当社の製品や運動プログラムをお客様に知っていただき、どのようにお届けすることができるのかが、当社の課題だと考えてきました。そのために「フレイル予防ネット」という情報サイトを展開すべく準備中です。「フレイル」とは、介護状態になる前の方々をさし、運動や栄養、社会参加などにより、健常な状態に戻ることができる方々です。当社がお客様としている顧客層となります。当社の製品を知っていただくのはもとより、フレイルを予防する多くの情報を広くお伝えできるサイトにしていきたいと考えています。

貴重なお話をありがとうございました。今後とも益々ご発展されることをお祈り申し上げます。

INFORMATION

ミライズ株式会社

吹田市五月が丘北1-17-203A

TEL : 06-6170-5161 HP : https://www.merise-inc.com/