INTERVIEW会員インタビュー
会員インタビュー
吉田屋

吉田屋 /
店主 西田 宗尚 氏
商店街で育ち、商店街を守る
JR吹田駅中央出口から南に向かって徒歩3分。東西に延びる錦通り商店街の中央に、布団などの寝具を販売されているお店(吉田屋)があります。
吉田屋は、先代(父)が創業されてから80余年間、錦通り商店街の歴史とともに営業展開をされてこられました。二代目店主である西田宗尚氏は、父より継承してから44年間寝具店を経営され、現在錦通り商店街の会長にも就かれています。
今回は西田氏にお店のこと、商店街のこと、そして、昨年9月に大阪府を襲った台風21号被害からの復旧などについてお伺いしました。

お店の沿革などについてお聞かせください。
最初に、父らが、山田地域からこの地( 朝日町)に移った時は、吹田市は、吹田町と呼ばれていた時代で、周りは田んぼに囲まれていました。
商売は、父が昭和10年頃にこの地で、着物の古着販売として始めました。そして、母の実家が呉服屋で仕立てが出来るということで呉服販売を始め、その後、寝具などの取扱いに広げ、現在は寝具販売をメインにしています。
父は、私が大学に入学した時に(19歳)に急逝し、急遽跡を継ぐことになりました。大学就学中は母とお手伝いの方に助けていただいて、なんとか卒業することができました。
以来44年間、地道に商売を続けております。そして、この商売で4人の子供を無事育て上げることができました。
現在の主力商品は西川リビングの少し高級な布団で、羽毛布団の仕立て直しやクリーニングなども行ってお
ります。近隣の方へのリピート販売が中心で、長くごひいきいただいております。
商店街会長のことをお聞かせください。
当店のある錦通り商店街(吹田市錦通商店街協同組合)は、昭和28年に創設されたと聞いております。私は平成13年から今日まで18年間、会長(代表理事)に就いております。
当商店街はJR吹田駅南側の東西に約40の店舗が並び、JR吹田駅近隣の商店街(旭通商店街、新旭町通り商店街、さんくす名店会、栄通り商店街、片山商店街など)と連携し、様々なイベント等を行っております。会長の主な仕事は一言でいうと「取りまとめ」です。吹田まつりやアジアンフェアといった地域の催しに錦通り商店街の代表として出席し、そこで決められたことへの協力を依頼します。また、商店街独自で行っているスタンプラリーやフォトコンテストなどのイベントの総括も行っています。
団体活動に対する店主の皆さんの想いも様々ですので、取りまとめは簡単ではないですね。また、商店連合会などの外部団体の会合に出席することで、他地域の商店街で行っている情報を知り、伝えることも役割の一つです。
試行錯誤を重ね自分が満足できるお店になるまで、10年ほどかかったように思います。今では、かつお節を触った時の手触りで乾き具合が分かるようになりました。
昨年の台風のことをお聞かせください。
昨年9月4日、近畿地方に暴風と大雨をもたらした台風21号では店舗も商店街も被害を受けました。最大風速は55m/秒とのことで、店舗では1階のシャッター6枚全てがめくれ上がり、シャッターを収納する天井のシャッターBOXも破壊されました。復旧するには店舗内部も含めて工事が必要となり、結果的に店舗全体の改修工事を行うことになりました。一時は再開が出来るのかといった不安もよぎりましたが、商店街の仲間や各団体の方から多くの励ましをいただき、気持ちを持ち直すことができました。そして、工事業者も幸い地域の会合などで知り合った吹田の方にお願いし、安心して工事を進めることができました。そして、商工会議所の方から被災時の安い金利対応をしてくれた金融機関の紹介や被災補助金の申請に至るまで私が苦手とする部分に対応いただき、感謝しております。普段からの関わり合いが大事だということはこういう時に気づきますね。
完成後は、シャッターの上げ下げも楽になり、そして、改修を機に商品展示台を6台削減し、商品数は以前の約半分としました。空いたスペースには簡易ベッドを設置し、購入前に枕の高さ加減や布団の使用感などを試し
ていただけるようにしました。店内はスッキリし、入りやすくなったと良い評判をいただいています。そし
て、店舗外の壁には掲示板を設置し、商店街のイベント告知などを行えるようにしました。
商店街の他の店舗でも屋根瓦が飛んだり、窓ガラスが割れ、店内の備品が駄目になってしまった方がおられます。まだ全ての店舗が台風前の状況には戻れてはいませんので、復興が待ち遠しいです。そして人への被害がなかったことが何よりの幸いでした。
今後の店舗・商店街の想いについてお聞かせください。
新規のお客様も有り難いですが、これまでお付き合いのある方々との継続的なお取引を大切にしたいと思っています。歳を重ねることで体型は変わるため、身体に合う布団や枕も変わっていきます。身体の変化に対応した布団のメンテナンスや買い替え時のご提案をさせていただきます。
また、商店街の発展のためには、個店それぞれが強くなることも必要ですが、同時に商店街としてお客様を集める仕組みをつくることも大切だと思っています。商店街の各店舗では設備の老朽化と店主の高齢化が進み、課題は山積していますが、お互い助け合い、関わり合いながら取組んでまいりたいと思っております。
-貴重なお話をありがとうございました。益々のご発展をお祈り申し上げます。



INFORMATION

吉田屋
吹田市元町6-8(旭通商店街)
営業時間 11:00~20:30
定 休 日 毎週木曜日