株式会社 田中工務店

事業について教えてください。

建設業という仕事は建物の施工・引き渡しが済んで、仕事が完了する訳ではなく、それ以降もお客さまとの関係性が続くと考えています。特に工務店は建物を建てた責任を伴い、いい加減な仕事をすると信用を失い、その地域で事業を継続する事が出来なくなります。その為、建物に何かあればすぐに修理やメンテナンスにかけつける必要があり、創業から今日まで、お客さまのアフターフォローを大切にしてきたからこそ、141年もの間、吹田市江坂の地で事業を継続できていると感じています。

  事業の強みや特徴について教えてください。

当社は基本的に建設に係る工事は何でもさせていただいていますが、数年前より、それでは他の企業にない付加価値は提供できないと感じていました。先代からの信用・信頼を継承しつつ、新しい価値を提供できる『第二の創業』をしなければ生き残れないと感じていました。

家の購入は35年ローンを組むような高額な買い物になります。そのため、私の代では次世代でも住み継ぐことのできる価値ある家を提供したいと考えるようになりました。共に過ごした子ども達から将来、「パパとママが建ててくれたこの木の家に、私住み続けたい！」そう言ってもらえるご家族をたくさん増やしていきたい。私たちの家づくりの答えは、20年後、30年後に結果が分かる事業です。そのためには、時を経るごとに味わいが増していく「木の家」でなければなりません。表紙のモデルハウス「TIME」のような「木の家」を現在の主製品としてご提案させていただいています。

また、住まいの引渡し後もお客様とのつながりを大切にしたいと考えています。ご家族の生活の質を良くするような暮らし方の提案や、お客様や地域の人に楽しんでいただけるようなイベントを随時企画しています。お引渡しからが本当の家づくりの始まりであり、地域工務店は住まいの「家守り（いえもり）」として、存在し続けることが使命だと感じています。

働く上で大切にしていることを教えてください。

『豊かな時をつくる』を企業理念とし、企業ミッションに『すべての人に、豊かな人生を。』また企業ビジョンに『豊かな人生を届ける私たちが、まず豊かな人生を生きよう。』を掲げています。

なぜなら、スタッフを含めた自分たちが豊かな人生を送っていなければ、お客様に豊かな人生を届けることが出来ないと考えました。当然、企業として利益は追及しなければいけませんが、契約数や売上といった過度なノルマや目標を設定すると、人間関係にほころびが出てしまい、お客様に満足したサービスが出来なくなってしまいます。まずは働いている自分たちが幸せを感じられているかどうかを大切にしています。

お客様も憂鬱な気持ちで仕事をしている人からではなく、いきいきと主体的に仕事をしている人から家を買いたいと思うはずです。この理念・ミッション・ビジョンに共感してくれるスタッフ、お客様、取引先と継続的な関係を築いていきたいと考えています。

今後の取り組みについて教えてください家づくりを通じて、目に見えないものをデザインしていきたい。目に見えないもの、それは、陽の光や風の通り道、家族の情愛や、大切な人と共に過ごす時間、これからの時代の生き方、住み方です。本当に大切なものは目に見えません。だからこそ、住まいの持つ役割はとても大きいと考えていて、私たちはそこに住まう人の心が豊かになるよう、家を設（しつら）えていきたい。目に見えないものを形にしていきたいと考えています。そして何より、住まいは家族の幸せの器だと思うのです。その器に何を入れるかがとても大切で、私たちは、住まいだけでなく、暮らし、良好な家族関係の提供を通じて、ご縁をいただいたお客さまご家族 に『一生涯の豊かな時間』を届けてまいります。