株式会社コーラルシー

株式会社コーラル・シーは、吹田市南吹田に本社を構え、国内の百貨店や量販店、飲食店などに主に冷凍エビの卸販売をされています。天然エビの開発輸入から創業し、エビと係わって50年近く、主にスリランカで漁獲、養殖、加工して輸入販売しています。

その間、市場環境も大きく変化してきました。その変化をチャンスと捉え、更なる飛躍・発展に向けて社業に取り組んでおられる3代目社長の丹波丈太郎氏に お話しを伺いました。

事業内容をお聞かせください。

弊社は、主に冷凍エビをスリランカから直輸入し、京阪神地域の百貨店、量販店、飲食店などに卸販売を行っています。冷凍エビの品質と鮮度にこだわり、漁獲、養殖から加工までをできるだけ短時間かつ低温度で、また水にさらさずに行うことに取り組んでいます。プロのお客様からも、弊社の商品は高い評価を得ております。また、エビ以外の冷凍魚介類（約500アイテム）も数多く取り扱っております。

スリランカの加工業者とは、創業以来のお付き合いです。弊社からも頻繁に現地の委託工場に出向き、現場の指導や管理を徹底して行っています。加工業者とは強固な信頼関係を築いており、お客様のご要望に一つ一つお応えしながら、最高の鮮度・最高の味を追求しています。

創業の経緯をお聞かせください。

弊社の創業者（実父）は、鰹節の原料を求めてフィリピン・南米・モルディブと世界各地を渡り歩いていたそうです。そんな中、スリランカの水産物の加工業者と築地の卸売市場の荷受業者との関係ができ、天然エビの開発輸入を始めたことから、1976年に神戸市中央区で株式会社コーラル・シーを設立しました。個人事業の時代を含めると、創業から50年近くエビにかかわってきたことになります。

弊社が吹田市内に本社と物流倉庫を移転し、移ってきたのは1985年です。私は、大学を卒業し食品メーカーで8年間勤務した後、弊社に1998年に入社し、 2007年から3代目として事業を継承しました。

社長が経営において大切にされていることは何ですか。

現在ほど市場の変化への対応を求められている時代はありません。これまでの既成概念にとらわれず、柔軟な対応でお客様への“お役立ち”に努めることがわが社の使命であると思っています。常にお客様との対話を重視し、お客様のお声に敏感に対応し、お客様によろこばれる仕事をしていきたいと考えております。

一方、会社内部におきましては、役員・社員間のコミュニケーションを十二分に図りつつ、モチベーションをアップさせることも重要です。経営理念にも、「私たちは社員の幸福と成長を日々追及するとともに、お客様によろこばれる仕事を通じて社会に貢献します。」を掲げています。

社員教育の取組について教えてください。

社員一人一人が、全社間での価値観を共有できるようにするため、社内において、見える化運動に取り組んでいます。経営理念、業績の数値化グラフ、経営計画書などのペーパー類を目に付くスペースに掲示して、わかりやすく理解でき行動につながるよう心掛けております。そして、経営計画書を策定し、手帳サイズにまとめ、社員一人一人に渡しております。会社のルールや方針、目標を目に見える形で共有することが目的です。

また、基本的なことですが、整理整頓を徹底しております。できるだけ物を少なくして、整えることで、物を探す時間をなくすことを目標にやっています。要するに仕事をやりやすくする環境を整えて備えるということです。これらの教育に取り組むことで組織の一員として自分の立場を理解して、その立場でいることが恥ずかしくないように正しく振る舞えればと考え実践しております。

経営に携わり、うれしかった点お聞かせください。

食品を販売する仕事なので、お客様との取引は継続的な関係にあります。その中で、エビは縁起物なので、それに関連付けてイベントや季節の商材としてご提案させていただくこともあります。それが功を奏してお客様から喜びのお言葉をいただいた時などは、“お役立ち”ができたと、この上なくうれしく感じます。また、社内のコミュニケーションがしっかり取れていると実感できるときは、やはり社長としてうれしいですね。

今後の新しい取り組みについてお聞かせください。

最近では、ネット販売にも果敢に取り組んでいます。

アクションとしては、業務用食材卸売サイトのMマートへ出店しました。また、楽天市場においても「海老右衛門^®」という店名で出店し、従来のB to Bのお客様に加えて、B to Cのお客様からもご愛顧いただけるようチャレンジしています。

― 貴重なお話をありがとうございました。今後とも益々ご発展されることをお祈り申し上げます。